2015年に 厚生労働省が「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を策定し、難聴が認知症発症に影響を及ぼすことが示されました。
補聴器装用は難聴を改善する最も身近な方法のひとつです。日本耳鼻咽喉科学会は補聴器購入に関するトラブルを防ぐため、まずは補聴器相談医への相談を勧めております。院長は補聴器相談医ですのでお気軽にご相談下さい。
また、当院は茨城県内では珍しい常勤の言語聴覚士の在籍するクリニックです。聴覚専門ですので、お気軽にご相談下さい。
補聴器相談医とは別に、補聴器適合判定医というものもあります。補聴器適合判定医とは、厚労省の指定する補聴器適合判定医講習会を修了した耳鼻咽喉科医です。簡単に言うと、補聴器適合判定医は補聴器相談医の上位互換です。補聴器適合判定医が一定の施設基準を満たすと補聴器適合検査が実施できます。院長は補聴器適合判定医でもあり、当院は補聴器適合検査の施設基準を十分に満たしております。
補聴器適合判定についての詳細は以前に書いたブログをご覧ください(補聴器はどこで買えばいいの?)
補聴器は薬事法が定める管理医療機器です。 大変有効な医療機器ですが、難聴患者さんの耳の状態を正しく評価しないと効果がでないばかりか悪影響が出る可能性もあります。
以下のような症状があれば精密検査後に、ご希望があれば補聴器外来へ誘導致します。
- 聞き返し、聞き間違いが多い
- 電子レンジ、体温計などの電子音が聞こえない
- テレビのボリュームが大きくなった
- 話し声が大きいと言われる
- 耳鳴りがある
耳鳴に対してカウンセリング、音響療法(TRT)も行っております。耳鳴でお困りの方は下のボタンをクリックして下さい。
補聴器外来の流れ
ご家族と受診されることをお勧めいたします。
- 耳鼻科外来
補聴器希望とお伝え下さい。まずは一般外来で補聴器装用に適切な耳かどうかを診断します。
- 精密検査(聴力検査、ことばの聞き取り検査など)
上記検査を施行し、言語聴覚士と面談し補聴器外来の予約をとって一度帰宅して頂きます。
ここで異常があればさらなる精査となります。 - 補聴器外来(初回~3か月)
患者さんの聴力にあった調整(フィッティング)をした補聴器を3カ月間貸し出します。1~2週に1回来院して頂き、音場での閾値・語音検査(補聴器適合検査)を施行し補聴器の調整を行います。
- 補聴器外来(3か月以降)
3カ月間の貸し出しのご感想を聞き、購入希望があれば購入となります。希望がなければ返却して終了となります。状況により器種を変更することも可能です。
- 補聴器外来(購入後1カ月)
購入後1カ月で初期不良などがないか確認のため来院して頂きます。
- 補聴器外来(購入後数か月以降)
電池交換や補聴器の清掃を3カ月~6か月に1回行います。半年から1年に1回程度、聴力検査を施行し、聴力の悪化があれば補聴器を再調整し、補聴器適合検査を行います。
クリニックからのお願い
補聴器を希望される方は必ずご家族を連れて受診して下さい!
補聴器がうまくいかない人もいます!以下のような方はうまくいかない事があります。
- 周りの人に聞こえていないと言われるが、自分は聞こえで困っているとは思っていない
- 自分では頑張りたくない、すぐに聞こえる補聴器が欲しい
- 周りが大きな声で話してくれれば自分が困ることはないと思っている
- 聞こえで困っているのは自分だから、周りが声を大きくしてくれればいい
つまり、本人に聞こえにくくて困っていることを改善したい意思があるかどうかです。困っていても改善したい意思がない人、家族だけが困っている場合は補聴器がうまくいかないかもしれません。ご家族の方は受診前に必ず本人に確認して下さい。
難聴についてご興味のある方は、下の日本耳鼻咽喉科学会のホームページをご覧下さい。
人工内耳の調整について
2023年10月から人工内耳の調整(マッピング)が可能となりました。ご希望の方はまず、お電話にてお問合せ下さい。