当院にてHPVワクチン接種を開始致します。予定です。(10月中)
9価ワクチン「シルガード®」男性の任意接種が承認!
2025年8月からHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンである9価ワクチン「シルガード®」の男性任意接種が承認されました。9価とはどういう意味かというと、ヒトパピローマウイルスの9種類の遺伝子型に対応しているという意味です。
HPVウイルスの遺伝子型によって悪性腫瘍(がん)になりやすいタイプがあり、それをカバーすればするほどがんの発生が予防できるということです。
HPV関連がんには、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型といったハイリスク型の遺伝子型が関与しています。「シルガード®」は6型、11型、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型の9つのタイプをカバーしており、先のハイリスク型の遺伝子型すべてに対応しており、80~90%のHPV関連がんの予防が可能といわれています。また、尖圭コンジローマの予防も可能です。
HPV関連がん
HPV関連がんに代表的なものに子宮頸がんがありますが、他に外陰がん、肛門がん、陰茎がん、耳鼻咽喉科領域では中咽頭がんがあります。
院長は、がんセンターに在籍していた頃に HPV関連の中咽頭がんについて研究を行い、多くの患者さんの診療にあたってきました。(残念ながら論文は道半ばで世に出ることはありませんでした)
このがんは比較的若い世代の方に多くみられ、早い段階から首のリンパ節に転移することがあります。
治療には放射線が効きますが、その一方で放射線治療の副作用は大きな負担となります。特に、唾液をつくる唾液腺が一緒に傷んでしまうため、唾液が出にくくなり、口の中が常に乾いてしまいます。その結果、食事がとりづらくなるなど、生活の質に大きな影響が出ることがあります。また、一時的に抑えられたとしても再発するリスクがあり、手術を行う場合は声を失ったり、他の臓器に転移した場合は手の施しようがないこともあります。
予防が大事!
HPVワクチンはウイルスの感染を予防するだけで、すでに異形成(がんの前段階)が生じている場合は効果はありません。
適応
- 小学校6年~高校1年相当の女の子は、HPVワクチンを公費で受けられます。
- 9歳以上の男の子は自費となります。(自治体によっては補助があります)
- 接種は26歳までは推奨されており、45歳まで効果があるとされています。それ以上の年齢は現状では推奨されておりません。

詳しく知りたい方は、厚生労働省のリーフレットをご覧ください。