ホームページを閲覧してくれている方が意外にも多くいらしており、開業時期など質問を頂くことが多いため久々の更新となります。

開院時期について

病院工事の着工は間もなくです。(駐車場は開始しております)
予定通り進めば開院は10月もしくは11月となります。
こんな御時勢でありますので、何が起こるか分かりません。
機械によっては在庫品がなく、秋まで納入できません!というものあります。
そのため時期が多少前後する可能性もあります。

クリニックのこだわり

開業延期となりましたが、その間に感染対策など学ぶことも多く、結果的に良かったと感じています。また、溜まっていた臨床論文も書けたり知識の整理にもなりました。

 延期となり時間ができたためクリニックのコンセプトをイチから考え直し、再設計をしました。そこでクリニックのこだわりをいくつか紹介したいと思います。

感染対策

 病院は病気を治すところ、ではありますがコロナ渦で病院は病気を貰うところにも成り得ると感じた方も多いのではないでしょうか。
 特に、耳鼻咽喉科は鼻水、咳、発熱を伴う患者さんが多く来院されます。新型コロナウイルスに感染しても無症状の事が多い子供さんから重症化のリスクのある高齢者まで、待合室で一緒になってしまうことが多々あります。

一般的な対策として
マスク着用や手指消毒、ソーシャルディスタンス、定期的な換気が挙げられます。

当院はまだ開設前であること生かし、初めから感染に強い設計・構造としました

①こだわりの空間分離

 駐車場のさらなる増設、感染症診察と一般診察の完全動線分離を実現しました。感染症の疑われる方の出入口、診察場所は全て換気の良い別室で、待ち時間も広い駐車場内で自家用車の中で待つことができます。
 キッズスペースは小さい子を持つ親として大変残念ではありましたが、感染源になることを考慮し設置しないことにしました。その代わり駐車場が広いですので一般診察の方も子供と一緒に駐車場内で待てるようになります。

 スタッフへの感染対策も欠かせません。
 スタッフが最も患者さんと接触する業務の1つに受付会計業務があります。特に受付は患者さんがまず初めに訪れる場所であるため、感染対策に最も力を入れなければならない場所の一つなります。
 昨今のクリニックではホスピタリティを重視するため、テーブルカウンターだけの受付がほとんどです。感染対策を行うには透明なフィルムを吊り下げたり、パーテーションを設置して飛沫防止をする必要があります。コンビニのレジなどがそのようスタイルです。
 下の動画がパーテーションの効果を実証したものです。


 よく飛沫防止は出来ているように思いますが、細かい粒子は相手側近くまで飛散しております。飛散した部位に触れてしまうと気づかぬうちに感染する可能性があります。(動画はマスク無しの状態での評価となっております)
 また、クリニックには高齢者や基礎疾患がある方など免疫力が低下した方もいらっしゃるため、スタッフ患者間の感染リスクを少しでも下げるためにも完全遮蔽しかないと考えました。

 古い診療所や病院などに受診された方は分かるかもしれませんが、それらの受付は透明な仕切り板などで完全に床から天井まで仕切られているところが多くあったと思います。近くで言えばかみね動物園やひたち海浜公園のチケット売り場などがそうなっていますね。そうすれば、待合室と受付スペースはほぼ完全に分離されます(金銭等のやり取りする穴があるのみ)。

新クリニックの受付会計スペースも建築の段階からアクリル板等を使用し、待合室と遮蔽された受付会計スペースとする予定です。

 もちろん、声が聞き取りずらくなる、ホスピタリティに欠ける、等のデメリットも出てきますが、それらは解決可能です。
 詳細は建築が進んでから紹介します。

②空間除菌・強力換気

 空間除菌と聞いて少し怪しいと感じる方はいるかと思いますが、オゾン紫外線などを使用することで実際に空間除菌ができます。しかし、容量によっては人にも害が及ぶこともあり使い方には注意が必要です。
 また、高機能換気装置を使い院内を絶えず強力に換気する予定です。
 詳細などはまだ載せられませんが、そのようなものを利用することで常にクリーンな空間を作りだす予定です。こちらも決まり次第徐々に更新していきます。

専門性特化

感染対策とともにこだわったのはさらなる専門性の特化です。

私の専門分野は耳科診療です。そのなかでも中耳手術、聴覚診療です。
 東海村で働き初めて分かったのですが、当医療圏は車で20~30分圏内に耳鼻咽喉科クリニックが複数存在します。耳鼻咽喉科医療としては充実しているのですが、専門的な診断や治療(手術を含む)を行うとなると水戸やつくばの病院まで行かなければならないことが多々ありました。

そして考えたのは取捨選択で、耳科診療に専門特化しよう!と以下のように設計変更しました。

  • 大型防音室を2部屋完備し、大学病院に引けを取らない聴覚検査が可能(クリニックで大型防音室を複数保有は県内有数)
  • 補聴器・聴覚外来を開設(業者任せではないクリニックスタッフによる補聴器の調整・効果測定ができる環境、将来的には人工内耳の調整も可能)
  • 耳の病気であれば手術加療を含め、診断から治療を当院で完結できる環境

こうすることで私の所属していた大学病院と同程度の診療の質が担保されます。私としても今まで培ってきた知識・技術がそっくりそのまま地域へ還元できる状態となり、ストレスなく専門である耳科診療を行えます。

もちろん、花粉症や副鼻腔炎、めまいなどの一般的な耳鼻咽喉科診療も行う予定ですが、専門性に重きを置くことで今後、東海村だけでなく医療圏全体の助けになることと考えています。

皮膚科診療について

 皮膚科診療は現在既に植村整形外科クリニック内で行っております。
新クリニックが開院した後は、植村整形外科クリニック内での皮膚科診療は終了となります。現在おかかりの患者さんで当院で引き続き治療をご希望される方は、お手数ですが診察券など全て変更になりますのでご了承下さい。
 なお、植村整形外科での皮膚科診察は当院が開院する直前まで行う予定です。
 また、現在植村整形外科で美容医療をされている患者さんは新クリニックでも美容医療は継続できますのでご安心下さい。